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規格外イチゴのふりかけ 商品開発力で農家支援

2023年10月2週号

福井県立大学・松井咲来さん、五島春季さん

「私たちのアイデアで少しでも農業者の助けになりたいと思った」と話すのは、永平寺町の福井県立大学生物資源学部創造農学科2年・松井咲来(まつい さくら)さん(19)と五島春季(ごしま はるき)さん(19)。今年から高浜町特産の大粒イチゴ「リッチゴ」の規格外品を利用したふりかけの開発に取り組んでいる。
 2人は学校からの紹介で野菜などの規格外品を使った商品開発プロジェクトを知り、今年2月に福井市で開催された同プロジェクトに参加。その中で、サイズや傷、完熟しているなどで規格外になる量の多さに驚いたという。
「元々、商品開発には興味があり、軽い気持ちで参加したが、生産者の思いや野菜などのおいしさに直接触れ、自分たちのアイデアで生産者を笑顔にしたいと思った」と松井さん。同プロジェクトでリッチゴを試食した五島さんは「イチゴのおいしさだけでなく、その大きさも表現できる新しい形の商品にしたいと考え、ありそうでなかったイチゴのふりかけを思いついた」と当時のことを話す。
 プロジェクトをサポートする東京都のEXest株式会社代表取締役・中林 幸宏さんは「2人はほかのプロジェクトとは違い、商品から福井への集客を見込んだ開発を目指している。自社のクラウドファンディングなどを大いに活用し、これからもどんどんチャレンジしてほしい」と期待する。
 生産者でパピィフルーツパークの馬場さんや中林さんと協議を重ね、乾燥イチゴと県内産のシュンギクを使ったふりかけの試作品が完成した。
松井さんと五島さんは「まだまだ改良点もあるが、私たちの商品で海外の人が福井の農業を知ってもらうきっかけになれればうれしい」と話してくれた。

「福井のお土産の一つになれるような商品にしていきたい」と笑顔の松井さん(左)と五島さん(右)

8月に米国で開催されたマーケティングプロジェクトに参加した松井さん。「海外の評価を直接聞け、いい経験になった」(写真提供=松井さん)

試作中のいちごのふりかけ(写真提供=松井さん)