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焼きおにぎりのキッチンカー 挑戦一歩ずつ前へ

2023年5月4週号

自慢の「コシ」を使用 食感と甘みが好評
小林 誠さん・勝山市

「平泉寺(へいせんじ)米を知ってもらうため、誰もしていないことにチャレンジして付加価値を上げていきたい」と話すのは、勝山市平泉寺町の小林誠(こばやし まこと)さん(35)。地元のオペレーターや水稲93㌃、レモン3㌃などを栽培する傍ら、今年4月から栽培する「コシヒカリ」を使った焼きおにぎりのキッチンカー「田歩(たふ)」を開業した。

 小林さんは、亡き父から譲り受けた圃場で、2012年から家族や親せきの飯米を栽培していた。平泉寺地区でも上流に位置する圃場のため、山から直接流れ込むきれいな水で育った米は、親戚や知り合いからおいしいと評判だったという。
 元々、自身が作る米の味には自信があった小林さん。22年に前職を退職した際、自慢の米と誰もしていないことに挑戦したいと考えた。そんな中で、キッチンカーを営む人とつながり、自分も生産する米を使ってキッチンカーにチャレンジしてみたいと決意した。
 メニューの「焼きまるおにぎり」は、食べやすい一口サイズの焼きおにぎり。家族でたこ焼きをしていた時に、一口サイズのおにぎりをたこ焼き機でしょう油を付けて焼き上げ、カリっとしたおこげがアクセントの焼きおにぎりが偶然できたという。利用者からは「一口サイズで子供にも食べやすく、お米の食感や甘みも感じられてとてもおいしい」と評判だ。

インスタグラムに出店情報を投稿
 同店は、勝山市をメインに県内のイベントで不定期に営業し、インスタグラム(写真共有サイト)で出店日や出店場所を投稿する。
 小林さんのキッチンカーは、黒を基調とした木造の和のデザイン。キッチン部分は軽トラックの荷台に着脱する仕様で、農繁期にはキッチン部分を下ろし、軽トラックとして農作業に使用することもできる。
 店名の田歩とは、農業者の「田を歩く」イメージの漢字と、「タフガイ」のタフという読みを兼ねたもの。ロゴも漢字の「歩」から連想した将棋の駒のデザインとなっており「地道に一歩ずつ駒を進め、最後には成りあがれるよう、いろいろなことに挑戦したい」と話す。
 「今のチャレンジも家族や知り合いの協力があったから」と笑顔を見せる小林さん。「これからもっと多くの人に田歩の商品を知ってもらい、平泉寺の米のおいしさや知名度を上げていきたい」と意気込む。

田歩のポーズを決める小林さん。キッチン部分はリフトで着脱できる

メニューは、しょう油ベースの特製タレを付けて焼き上げた「焼きまる」(500円、税込み)と、少し辛みを利かせた「辛まる」の2種類がある(写真提供=小林さん)

オープン当初から数量限定で配布しているロゴ付きのご縁玉。「家族やひとつひとつの出会いに感謝している」と小林さん