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つながりを大切に 地域農業を守りたい

2024年2月1週号

インターンシップは加工品開発のヒント
大野市 牧野純也さん

 「4歳のころには、農業をする祖父の姿に憧れていた」と話す牧野純也さん(34)。大野市中野町で水稲2㌶、サトイモ32㌃、ネギ27㌃、その他露地野菜50㌃を栽培する純ちゃん農園の代表を務める。2023年3月に静岡大学を卒業後、地元に帰郷し、子どものころからの夢だった農家として新たな一歩を歩み始めた。
 牧野さんは幼いころ、祖父母が楽しそうに畑仕事をする姿を見ながら育った。農業に本格的に取り組むことになるきっかけは、10歳のとき。祖父がけがをして畑仕事ができなくなった。自分が祖父の代わりに畑を管理したいと家族に相談、祖父母がそれを快く受け入れてサポートしてくれたという。
 祖父母の姿を思い出しながら、栽培計画を一から考え、種まきや管理、収穫に取り組んだ。「自分で考えた計画で野菜が育ち、立派に収穫できたときの達成感はひとしおだった」
 収穫した野菜は近所の人などに配るほか、近くの朝市で販売した。「自分の野菜をおいしいと喜んでくれたり、笑顔で買ってくれたりしたときは本当にうれしくて、農業がますます好きになった」と振り返る。

県内外の農業者に学ぶ
 大学生のころ、県内外の農業者のもとにインターンシップやアルバイトとして受け入れてもらった。さまざまな経営体の生産や経営を学び、自分に合った農業経営や販路開拓などを考えるきっかけになったという。「規模の大小などで経営形態は変わってくるが、どの経営でも一番大切だと感じたのは人と人とのつながり」
 23年8月、知人の依頼で関西大学の学生7名をインターンシップとして受け入れ、家族経営の現状や課題などの意見を交換した。「学生は年齢が近く、とても楽しい2週間だった。加工品開発などで意見を参考にしながら、協力していきたい」
 牧野さんは「応援してくれる人やお客さんの声で、次も頑張ろうと背中を押してくれる。この1年で学び感じたことをしっかりと振り返り、楽しみながら地域の農業を守っていきたい」と笑顔で話してくれた。

サトイモを手に「色々な職種の人とも交流し、地域を守る一人として頑張っていきたい」と牧野さん

インターンシップ生と牧野さん(左から3人目)。生産の大変さや楽しさを体験してもらった(写真提供=牧野さん)