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雪の下にんじん 無駄なく使い切る商品開発

2024年2月3週号

大野市 さかだに特産工房

 大野市阪谷地区にある「さかだに特産工房」では、同地区で栽培した農産物でかきもちやジャムなどの加工品を製造、市内の道の駅「越前おおの荒島の郷」で販売する。
 同工房会長の山村福和さん(64)は10年ほど前、同地区で活動していた地域おこし協力隊に、雪の多い同地区の特性を生かした「雪の下にんじん」の生産を提案された。試したところ、ニンジンの甘みが増し、おいしくなることを確認。地域おこし協力隊が帰ってからも山村さんは生産を続け、地元のイベントで雪の下にんじんの生搾りジュースなどを提供していた。
 農薬を使わず栽培する雪の下にんじんは好評だったが、6割が規格外になることもあったという。メンバーに相談したところ、ピクルスやジャムへ加工を提案され、メンバーや市と協力しながら商品開発に着手。サイズがとれる部分はピクルスに、切れ端などはジャムにすることで、すべてを使い切ることに成功した。
 「雪の下にんじんピクルス」は、女性や観光客に好評だ。山村さんは「若い人に興味を持ってもらえるように、阪谷地区のおいしい農産物や魅力を紹介していきたい」と話す。

「高齢化が進み、生産量は多くないが、楽しく笑顔のあるこの工房を続けていきたい」と山村さん

雪の下にんじんピクルスは1瓶680円(税込み)