特産ラッキョウ加工品 健康志向にマッチ 通年販売を目指す
2024年4月3週号
三国町・ふれあいパーク三里浜
三国町の「道の駅みくに」に併設する農産物直売所「ふれいあいパーク三里浜」では、特産「三年子(さんねんご)ラッキョウ」を使った「黒らっきょ」の加工・販売に尽力している。
「特産のラッキョウを酢漬けだけでなく、他の形で商品化したかった」と話すのは、開発当初から中心となっている同直売所の専務取締役・松村伊晃(まつむら よしあき)さん(65)。
黒らっきょは鳥取県などの産地では有名な加工品だが、県内ではなじみが少なかったため、他県の加工業者に特産の三年子ラッキョウを送付し、試作を依頼。実際にでき上がった黒らっきょを食べてみると、独特の甘みとさっぱりした後味がおいしかったという。「加工したことで、ポリフェノールの含有量が通常の20倍以上と豊富になった。抗酸化作用もあり、健康食品としての付加価値が高くなった」と話す。
松村さんらは本格的な商品化を決意し、2019年から同直売所で販売をはじめ、21年に専用の加工機械を整備。現在では年間千パックほど店頭に並べ、8月からの販売を待つ購入者も出るほどの人気となっている。
松村さんは「生産者の高齢化や離農などで、ラッキョウの生産量が年々減少してきていて、加工量を増やせないところがある」と話す一方、「毎年3月ごろには完売してしまうため、年間を通して販売できるよう、新しい加工法にチャレンジしていきたい」と話す。
ラッキョウの乾燥具合をみる松村さん。出来上がった黒らっきょは一つ一つ手作業でパック詰めしている
「黒らっきょ」は1パック150㌘入り1080円(税込み)