広報

卒業した保育園でカフェ “ホッ”とする場所に

2025年5月1週号

4月に「平泉寺のパン屋さん」開店 滝本紫音さん・勝山市

米粉シフォンケーキ 地元産「コシヒカリ」使用

 

 勝山市平泉寺町平泉寺の「平泉寺のパン屋さん」店長の滝本紫音(たきもと しおん)さん(25)は、自身も通った平泉寺保育園を家族とともに改修し、今年4月5日に念願の店舗兼カフェをオープンした。

 滝本さんは、家族が経営する滝本ふぁーむで農作業を手伝う傍ら、事務所兼加工場の一角を借りて、米粉パンを販売していた。

 元々、自分の店を持ちたいと考えていた紫音さん。地域の人が集まり“ホッ”とできるようなカフェをオープンさせる基礎知識として、県内の飲食店で経営を学びながら、出身大学で栄養学などを勉強し直した。

 2023年、卒業した保育園が閉園になることを知り、何とか残していきたいと考え、購入を決意。できるだけ自分たちの手でと、自ら材料を調達し、地域の職人からアドバイスを受けながら改修した。

 紫音さんは「家族の作る米や地元食材のおいしさを伝えながら、田舎の空気や静けさを楽しんでもらいたい」と話す一方で「元々が保育園なので、子供連れでも安心してゆっくり楽しんでもらえる空間にしたかった」と話す。

 3月20日のプレオープンでは、周辺地域の人だけでなく、県内外から150名が訪れた。オープン初日も100人以上のお客さんが訪れ、盛況だったという。

 滝本ふぁーむの代表で母の和子さん(50)は「地域の高齢化が進み、若い人が少なくなってきた中で、こんなに多くの人が来てくれることに感謝。このお店をきっかけに、若い人を呼び込む新しい力になってほしい」と期待する。

 紫音さんのお薦めは米粉のシフォンケーキだ。地元農家から「コシヒカリ」を購入し、米粉に加工。米粉と県産卵をメインに使っている。

 紫音さんは「お店をオープンするまでにもいろんな人から『頑張ってね』と応援の声をいただき、すごくうれしくなった。農業と加工品、カフェを自分のペースでやって、地域の良さをもっとPRしていけるよう頑張っていきたい」と笑顔で話す。

 営業は土・日・月曜日。イベント出店情報などは写真共有アプリ「インスタグラム」に随時更新する。

 

「その季節のおいしさを味わってもらえる自分らしいお店にしていきたい」と紫音さん

 

通っていた保育園を家族で改修した

 

 

 

米粉のシフォンケーキ