広報

イチゴ水耕栽培導入 水稲との作業両立

2025年5月3週号

安定収量を目指す

福井市・中村哲也さん

 

 福井市黒丸町の中村哲也さん(35)は、2024年にイチゴの水耕栽培ハウスを2棟新設し「とちおとめ」「かおり野」「紅ほっぺ」の栽培に取り組んでいる。

 17年に会社を退職し、家族と共に水稲や麦などを栽培していたが、たまたま買い物に行った時、イチゴがよく売れていることに気付き、イチゴを生産すれば農業収入増加につながるのではと考えた。「提案したイチゴ栽培を行うことに両親が理解を示し、全面的に協力してくれており感謝している」と話す。

 昨年11月に本格的に生産を本格的に開始したが、病害が発生。想定より収穫量が少なかった。「イチゴが好む環境を整えるため、機械を導入し、基本通りの生産を行ったが、気象や状況に応じた管理は機械だけではできないと感じた。普及員などからアドバイスをもらいながら、改善策を研究していきたい」と中村さん。

 イチゴは市内の直売所で販売している。「4月後半からの水稲の作付けとイチゴの収穫作業が重複するため、自分たちの経営に合った生産サイクルの確立が直近の課題」と中村さん。

 「安定して収穫することを当面の目標とし、規模拡大を行いながら、ゆくゆくは福井県の10㌃当たり平均単収4㌧を達成したい」と話している。

 

「直売所でイチゴを購入してくれたお客さまから『おいしい』と言ってもらえて、うれしい」と中村さん