私の農業経営 ”楽する”努力にスマート農業
2025年5月4週号
越前市・塚崎 佑磨(つかさき ゆうま)さん
私の家は代々続く専業農家です。大学卒業後、一般企業に就職しましたが、父親に「祖父とともに農業を手伝ってくれないか」と言われ、2017年に就農しました。
就農当初は、学ぶことが多くつらい毎日でしたが、自分の作った農作物を食べたお客さんの「おいしい」という声や笑顔にやりがいを感じ、今は楽しく営農しています。
就農して8年が過ぎ、今では私が経営の主体を担っています。
経営の中で大切にしていることは「いかに作業を楽にできるか」です。営農の課題である人手不足などの解消のため、衛星利用測位システム(GPS)搭載の自動運転トラクターや小型無人機(ドローン)での防除など、スマート農機を駆使して省力化に努めています。
現在取り組んでいるのは、衛星画像から圃場の生育状況を分析する技術を用いた適切な土壌改良です。また、自動の水位センサーで圃場の水管理を徹底し、昨今の高温や水不足などにすぐに対応できる環境を整え、おいしい米作りが安定してできるよう工夫しています。
経営を引き継いでから、収入保険に加入しています。収入保険があることで、異常気象による収量減や米価下落などでも補償され、安心して経営を続けられています。
これからの農業のために私がやるべきことは、高齢化で農業者が減少する中でも、地域の農業を守っていくことだと考えています。そのために、省力化や作業軽減をはじめ、マニュアルを作成して誰でもスムーズに作業ができ、高品質な農産物を生産できる環境づくりを整備しながら、楽する努力を続けていきたいです。