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令和6年度全国麦作共励会 大臣賞に 耕起・施肥・播種・除草剤散布を1行程で

2025年7月2週号

 

 福井市の株式会社島﨑農園を経営する島﨑恒守さん(73)は、令和6年度全国麦作共励会・農家の部で最高賞にあたる農林水産大臣賞を県内生産者として初めて受賞した。島﨑さんは同会同部門で過去に2度の受賞、3度の受賞は全国初。「収量の向上もあるが、作業効率の良さが特に評価されたと思う」と振り返る。 
 2023年産麦10㌃当たりの島﨑さんの労働時間は約1・6時間。県平均の4・4時間の半分以下で、10㌃当たり収量は362㌔と県平均単収の211㌔を大きく上回った。
 島﨑さんが営農する地域は湿害が発生しやすく、安定した収量を得るには排水対策が肝要だ。稲刈りの合間に明渠を設置。直径15cmと通常より大きい弾丸をサブソイラーに使用し、徹底した排水対策を講じる。また、クローラートラクタを用いて耕起・施肥・播種・除草剤散布を1工程で行う。土を練り返さず発芽に良い条件で播種ができる。播種と同時に除草剤を散布するため、防除効果も高い。
 集落の中心的農家である島﨑さん。圃場を団地化し、畦も撤去した。大区画化にすることで、大型機械による作業を可能にし、作業時間の短縮とコスト低減につなげている。
 「今後さらに作付面積が増えてくるので、水稲の直播栽培や麦の面積を増やし、効率的にできるようにしたい。」と意気込む。

写真①一緒に営農に取り組む家族と共に島﨑さん(右端)