皮ごと食べられる「本郷イチジク」 楽しみながら夫婦で続けたい
2025年9月3週号
福井市八幡町 西田喜照さん・美弥子さん
「『本郷イチジク』は守っていかなければ」と話すのは、福井市八幡町の西田喜照さん(82)。妻の美弥子さんとイチジクのハウス栽培に取り組んでいる。
「本郷イチジク」は2000年に地域ブランド化を目指して、本郷地区の生産者11戸で栽培を始めたもの。しかし、高齢化が年々進み、露地栽培では鳥獣被害の影響も大きかったことから、現在は西田さん夫妻が生産するだけとなっている。
喜照さんは「安心して皮ごと食べてもらいたい」と話し、農薬を使わず、井戸水を利用して栽培している。美弥子さんは、収穫したイチジクの一部をジャムに加工。「皮ごと使うと、奇麗な赤色に仕上がる」と話す。
収穫と出荷作業は例年、8月から11月頃まで続く。イチジクの食べ頃を逃さないように、収穫は朝早くから行い、その日の午前中には直売所に並べる。昼頃には売り切れてしまうこともしばしばで、固定ファンも多いという。
近年の酷暑に加え、収穫期間中は毎日作業が続くため、体力的な負担も大きいが「体調に気を付けて、楽しみながら続けていきたい」と話す。
写真:イチジクの出来を見る西田さん夫妻