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効率化を意識 水稲苗箱播種量1.5倍 いつでも集落の受け皿に

2025年10月2週号

勝山市 土田  弥嗣 さん

 「隣の地区で廃農した人が出た時、今後の地域の農業の在り方について考えるようになった」と話すのは土田弥嗣さん(44)。勝山市荒土町で土田農園を営み、水稲3㌶と露地野菜1・3㌶を栽培している。

大学を卒業後、亡父の下で農業に携わっていた。近隣農業者の突然の廃業から「もし、人の土地を引き継ぐことになったらどうすればいいのか」と考え、2019年から23年まで農業法人で働き、経験を積んだ。  

 「身近で農業を辞める人が出た時に『手いっぱいで出来ません』とは言えない。自分に何かあった場合にもスムーズに引き継げるようにしたい。」と話す。

 農業法人での経験は、作業の省力化にも生かされている。水稲では、種子を苗箱あたり通常の1・5倍の量を撒くことで、必要となる箱数を減らす。「運搬作業にかかる労力や時間、育てる場所も少なく済む」と話す。今後は白ネギ栽培にも注力していく予定だ。

 「農業は買ってくれた人の反応がじかに分かるので『おいしい』の一言がうれしい。勝山市は今、県立大学の恐竜学部が創設されるなど、町が活気づいてきている。おいしいお米と野菜で市の発展に少しでも貢献していきたい」と意気込む。

 
写真:「勝山で米と言えば『土田農園』と言われるようになりたい」と土田さん