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伝統の味をもっと広めたい

2017年6月2週号

 

 

特産チリメンジソ


ちそのかほりのメンバーと
加藤代表(右端)

福井市中心部に近い木田地区は、6月のこの時期「木田ちそ(チリメンジソ)」の収穫を間近に控え、住宅地に濃い赤紫色のじゅうたんが浮かび上がる。
栽培の歴史は、本県若狭町でウメの栽培が盛んだった明治20年ごろまでさかのぼり、梅干しの着色用に栽培が始まった。品種名のとおり、葉先がちりめん状に広がり肉厚のため、養分も溜まりやすく美味しいと重宝されてきた。
しかし、青ウメから梅干しを漬ける人が少なくなり、需要が減る中、この伝統の味を絶やさないためにと、生産農家を集い、加工・販売を行う「有限責任事業組合ちそのかほり」を2014年に設立した。
同組合では、これまでにすっきりした味わいの「木田ちそサイダー」をはじめ、「梅干しの素」、「木田ちそサイダー飴」、「木田ちそゼリー」と数々の商品を開発。代表の加藤秀次さん(71)は「地元の家庭では夏場にちそジュースを作って飲んでいたので、いろんな味わい方ができると思っていた」と話す。


木田ちそサイダー

おすすめは、東京青山にあるアンテナショップでも人気商品の「木田ちそサイダー」。加藤代表は、「サイダーが起爆剤となってPRにつながった。後継者・圃場の確保などの課題もあるが、ちそと向き合い、ともに過ごす人生を楽しみたい」と新たな商品の開発に向け意欲的だ。