広報

シカ害解消に向けて

2017年7月2週号

ICT活用の捕獲網で実績 


研修会でOBAMAビーストキャッチを紹介した

小浜市では、シカの大量捕獲を目的とした大型捕獲器「O(お)B(ば)AM(ま)Aビーストキャッチ(販売・小浜ヤンマー株式会社)」を2012年から導入。市内2ヵ所に設置し、7年で計102頭の捕獲実績をあげている。さらに全国27ヵ所にも設置され、評判を得ている。
同捕獲器は、県猟友会小浜支部会員が、少人数で簡便かつ効率的にシカを捕獲できるようにと考案した。縦横18m四方に張った捕獲網を、ワイヤーで高さ3mまで吊り上げ落下させるドロップネット方式を採用。側面4面のうち2面はネットを張らず、シカの侵入口としている。一度に最大10頭の捕獲が可能で、移動式のため固定式より捕獲率も高く、設置や維持管理も容易とのこと。
当初、捕獲器に付けたカメラから有線でモニターを設置し、現場で捕獲操作を行っていた。15年からは株式会社アイエスティー(三重県)製造の遠隔監視システムを併用し、ICT(情報通信技術)によるスマートフォンでの常時監視が可能となり、ボタン一つでシカが捕獲出来るようになった。
考案者の一人である同支部会員の上見良一さん(75歳・水稲1.9㌶)は、「ゼロからのスタートで、特に移動式にする工夫に労した。今の技術と融合し、操作が感便になった。さらに捕獲率を向上させ、今後も地区の人とともに被害低減に努めていく」と話す。