広報

農地管理システム導入

2018年3月2週号

ICT使い380筆を効率管理


テレビに写しだされた
地図情報を指す上田代表

大野市森政領家にある合同会社上田農園(上田輝司代表社員・60歳)は、GPS(衛星測位利用システム)技術を活用した農地管理や自動操舵システムなどのICTを導入し、規模拡大に対応した作業効率化を実現している。
同農園では、高齢化や採算が合わないといった理由で手放す農地を受け入れ、現在、水稲53㌶を中心に麦27・6㌶・大豆17㌶・ソバ3㌶・サトイモ2㌶などの複合経営を手掛け、耕作筆数は約380筆・面積76㌶におよぶ。しかし、農地のほとんどが30㌃程で散在しており、作業圃場を間違えることもあった。
 そこで2017年1月に導入したのが、農地管理システムだ。以前は地図の縮小コピーで確認しながら農地間を移動していたが、スマホで同システムを連動させることで、作業圃場を正確に確認ができ、スムーズに移動できるようになった。
 今年で4年目を迎える社員・栁井瞳さん(38)は「年々面積が増える中、間違えることなく目的地で作業できる。特に作業受託の圃場は毎年変わるため楽になった」と話す。


スマホのGPS機能で
現在地を確認

 地図情報は航空写真のため、道路と圃場の区分けしやく、圃場を品目ごとに色分けができる。誰がどこの圃場で、どんな作業をしたかを記録でき、実績を一覧で振り返ることもできる。また、社内の打ち合わせでは、地図情報をテレビ画面に映し出し、社員同士が情報を共有しながら、作業の効率化の検討にも生かされている。
一方、田植えには自動操舵システムに加え密苗技術(ヤンマー開発)を併せて導入。操舵に専従することなく、苗や肥料の補充ができるようになったため、人員を2人から1人へ減らすことができた。水稲栽培を任せられている社員・上田智亮さん(32)は、「田植え機の後ろを見ながら、苗が植え付けられているか確認するだけ」さらに「もう一台田植え機を稼働することができ、適期を逃すことなく植えられる」と話す。
「品目ごとの作業時間の把握から、収益がどの品目にあるかが見えてきた」と話す上田代表は、「除草や代かきに時間を費やしていることなどの問題点も分かった。圃場の大区画化やレベラーの導入などで機械化を図り、社員の負担を増やざすに、品質や収量を安定させていきたい」と抱負を話す。