広報

地域・農地を守る農事組合法人

2018年5月1週号

園芸作物で地域を守る


「地域を守る使命感がある」
と長谷川代表と
植えつけしたサトイモ

「園芸作物の作付けを増やし、構成員への分配を増やしたい」と話すのは、勝山市岡横江で農事組合法人岡横江ファームの代表理事を務める長谷川敬祐さん(49)同地区の農地20㌶の約7割を集積し水稲、大麦、ソバに加えサトイモなどの露地野菜や園芸施設6棟で水稲苗、トマトなどを栽培し収益を上げている。
長谷川代表は県外で上場企業に勤めた後、親戚の勧めにより2006年にUターンし就農。同地区において、農機具の共同購入がきっかけとなり14年集落営農組織を立ち上げ、17年に法人化した。現在の構成員は9戸、25名。
長谷川代表以外は兼業のため作業効率を高めることが当初の課題であった。水稲は刈り取りしやすいように水田の四隅の作付けを止め、交代制にしていた農機具のオペレーターは機体ごとに固定。田畑周りの除草や作付け後の管理は農地の提供者が担うように改善した。その結果、構成員の協力体制が万全となり、農機具の修理費が軽減され、作業効率が良くなった。


平日に長谷川代表が
水稲苗箱の搬入を行う

「米価は下がる見込みがある。収益性が高い園芸作物の作付けを増やし、高齢の構成員でも収入が得られるように」と水田ではサトイモ、園芸施設では水稲苗後のトマトやホウレンソウの作付けに力を入れている。サトイモは同地方の伝統野菜で一番利益が得られるという。
「兼業が多い中、大掛かりな作業を代表が担うため助かる。高齢でも野菜を収穫し、出荷できる喜びがある」と構成員は話す。
今後は、地域で使用しなくなった園芸施設を引き継ぎ、野菜の作付けを拡大する計画がある。
「構成員が参加しやすいように、体制を整えていく」と長谷川代表は話す。