広報

特別栽培大豆で納豆製造

2019年3月1週号

「特別栽培の大豆を使い、安心して食べてもらえる納豆作りをしています」と話すのは、越前市中新庄の中間久夫さん(69)。水稲・麦・大豆を生産する傍ら、一年を通して納豆を製造し、直売所に出荷している。
県の特別栽培認証を受けた大粒のエンレイをそのまま生かした「きまま納豆」は、1個120㌘と大入りで、豆の味が濃く、食べごたえがあると長年地元で愛されている逸品だ。
納豆は蒸した大豆に納豆菌を混ぜたものを、保温庫に入れ、37~40℃を8時間保ち発酵させて作る。中間さんは、発酵中の豆の温度が上がりすぎないように管理を徹底し、風味の良い納豆に仕上げている。
「農産物は口に入るものなので、できるだけ農薬や化学肥料は使いたくない」と循環型農業に取り組む中間さん。山土の土着菌を用い、もみ殻くん炭や米ぬかを発酵させた自家製ボカシ肥料を水稲の元肥に使用している。
大阪府出身の中間さんは約20年前に、奥さんの実家がある越前市中新庄町で農業を継いだ。同時期に直売所の設立があり、地場の納豆がほしいという引き合いから、大豆の生産と納豆作りを始めた。「当時は、6次産業化という言葉はありませんでした。自分で生産した物を加工するという良いシステムを早くから知り得たことがよかったです」と話す。現在は生産量の約6割を納豆に加工している。
自宅では、コシヒカリで麹を作り、甘酒や味噌を作り楽しんでいる。麹菌と納豆菌が触れ合わないようにするため、米袋の中で麹を作り、手洗いを徹底しているという。
「発酵の力は営農や生活になくてはならないものですね」と中間さんは笑顔を見せる。

▽販売先:百姓の館
▽経営内容=水稲3㌶、麦86㌃、大豆60㌃

▽写真

 

写真①「楽しく生産しています」と納豆を手に中間さん。


写真②大粒の納豆。