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防除を安全に安価で

2019年3月2週号

農業法人白山AIファーム株式会社 福井市中央

「安全対策と環境への配慮を重視して、適切な防除をしています」と話すのは農業法人白山AIファーム株式会社ドローン事業部統括の田川篤史さん(46)。同社では農業用マルチローター(以下ドローン)での防除請負の他、農薬散布講習や機体の販売を行い、ドローン事業を拡大している。
「従来の無人ヘリ防除より、低価格で作業効率の良いドローン防除請負を広めていきたいです」と田川さん。ドローン事業部はオペレーター14名体制。クボタの農業用ドローン(MG‐1K)10機を所有し、防除事業を展開している。防除にかかる時間は、1㌶につき約6分(1機)。自動飛行や一圃場で複数機を使うなど、人件費を抑え低料金を実現している。
ドローン防除の様子を知ってもらおうと、ホームページ上で動画を公開している他、農業者を集めてデモを行っている。小回りの利く機体が、2㍍の高さから丁寧に散布するところを目の当たりにした参集者からは「市街地や郊外、大小どちらの圃場にも適している」と評価されている。テレビやラジオを使った広告を行い、知名度を高め、3年目を迎える今年は1400㌶(700㌶×2回)の請負を計画。順次予約を受付している。
農業者自身がドローンを活用する機会が増えると需要を見込み、同社のドローンスクール(大野市蓑道)では4月から農薬散布に特化した講習を開講する。「MG‐1K」で2日間の講習を受講すると「産業用マルチローターオペレーター技能認定証」を取得ができる。また、比較的低価格で、講習や定期点検が不要なスカイロード社の散布ドローンの販売を開始し、ドローンの普及を加速させる。
同社は2017年に設立され、防除事業の他、離農により手放された農地や果樹園で、水稲や果物などを栽培し、ジュースなどの加工品の生産も行っている。「最新の技術や若い人のアイディアを取り入れ、若い人が携わりたいと思うような農業を進めていきます」と話す田川さん。今後は、大規模施設園芸をスタートさせ、事業を拡大させていく。

▽経営内容=水稲3㌶、梨・柿・山ブドウ3㌶、ネギ4・5㌶、農産物加工、防除請負
▽お問い合わせ先:農業法人白山AIファーム株式会社ドローン事業部TEL:(0776)30‐0123
▽写真 ①MG-1Kのタンクに薬剤を投入。1度に10㍑入る。提供:農業法人白山AIファーム(株)