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多彩な青大豆加工品 営業を先導

2020年1月1週号

「青大豆の生産や加工品の移動販売など常に先進的な取り組みをするよう意識している」と話すのは株式会社ゆいファームの帰山幸子さん大野市蕨生)。自社産の青大豆(岩手みどり)を使い、加工品を製造・販売をしている。

 同社では、幸子さんの息子や夫が農産物の生産を担い、水稲70㌶、大麦31㌶、ソバ24㌶、青大豆9・1㌶、サトイモ42㌃を生産。幸子さんは「農家のとうふ屋さん」で加工販売部門を取り仕切る。自社で、豆腐、油揚げ、豆乳、煮豆を製造しているほか、醤油やきなこ、焼き菓子、里芋コロッケなどは業者に加工を委託している。「お客さんの声を取り入れ商品を増やしてきた。品ぞろえが多いことは、リスク回避にもつながる」と幸子さん。現在は、息子の妻と社員1名、パート1名が加工販売に携わり、幸子さんは営業活動やマネジメントにまわっている。

同社は1997年から青大豆の生産を始め、規模を拡大した。当初は委託加工の豆腐を販売していたが、次第に自ら加工したいとの思いが膨らみ、2006年に店を開いた。「自己資金と多額の借入金を設備投資に充てた。糖分の多い青大豆で豆腐を作ることは難しく、商品の開発に苦労した」と振り返る。経営が軌道に乗り、前々から構想を練っていた移動販売車を12年に導入。集客が見込める嶺北管内のイベントに出向き、揚げたての油揚げや里芋コロッケなどを販売している。

「6次産業化に取り組んだという自己満足ではなく経費倒れにならないよう、生業としてやろうという覚悟を決めた。加工は女性が活躍しやすい場だが、専念しすぎると、家事や睡眠などの時間を削ることになる。無理をせず、周りの人の力を借りることも大切」と幸子さん。

「今後は、店の近くに道の駅ができるので、どのような販売形態をとるかを考え中」と幸子さんは入念に準備している。

 

「味が濃く甘味があります」と青大豆を手に幸子さん

 

豊富な商品。豆腐や油揚げは市内のスーパーマーケットでも販売している