広報

水田農業の担い手育成 越前若狭田んぼ道場

2020年2月2週号

県内では水田を活かした水稲、麦、大豆・そばの2年3作体系が定着している。県は水田農業の担い手育成を目的に昨年12月に「越前若狭田んぼ道場」を開講した。座学研修・機械基礎講習の後、圃場において、水稲のあぜ塗りから収穫、麦播種までの機械操作実習を行う。
一年間に全22回のカリキュラムは農作業安全に配慮し、作業効率を高め、高品質な農産物を多く収穫して経営改善につながるように組まれている。講師は専門職のOBや農機メーカーが務める。毎回、土日に開催し、前半は嶺北と嶺南2つの会場で座学研修・機械基礎講習があり、3月までに作物の生理生態や基礎的な農機の操作やメンテナンスについて学ぶ。後半の実習は坂井、丹南、若狭地区の担い手3経営体の圃場を借りて行われる。
 受講生の臼谷佳純さん(南越前町南今庄)は南越前町で水稲を栽培する野村浩治さん(同町今庄)の元で昨年就農した。臼谷さんは「育苗から、もみすりまでの過程の多さに驚きました。一つ一つの作業を覚えて、今年から農機の運転にもチャレンジしていきます」と話し、受講した際のノートを見やすく整理している。
同道場では、野村さんも受講しており「23年の経験がありますが、基礎を一から学び直す良い機会となります。『農業がしたい』という臼谷さんの熱意を大切に育てていきたいです」と話す。野村さんは臼谷さんと共に今年から3㌶でソバの作付けを始め、水稲は昨年の2倍以上となる12㌶に規模を拡大する。
県農林水産部園芸振興課農業人材グループ池上健一主任は「既に就業している方も受講しやすいよう、土日の開催とし、また会場を数か所設けました。初年度は当初の募集人数を上回る受講生が集まりました。営農の即戦力として活躍してもらいたいです」と話す。
▽令和2年度の入校は随時相談受付中

【問い合わせ先】
県農林水産部園芸振興課農業人材グループ
℡(0776)20-0433

▽写真

 

「自然豊かな環境での稲作に魅力を感じています」と手がけた米袋を手に臼谷さん㊧と野村さん。


トラクター内の仕組みについて説明を受ける受講者。(県農林水産部提供)