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蜂蜜専門店でのミツロウキャンドル作り体験

2020年3月1週号

「ミツバチは花の蜜を体内で蝋に変化させて巣を作ります。ミツロウは蜂蜜を取った後の巣から作ることができます」と話すのは、はちみつ屋(坂井市三国町宿)を営む大沼照枝さん。店で蜂蜜や菓子を販売する傍ら、ミツロウキャンドル作り教室を開いている。
はちみつ屋は照枝さんの夫・成章さんが経営する大沼養蜂園(巣箱200箱)の直営で12年目を迎える。大沼さんは開店以前から、ミツバチの巣をお湯で溶かしてゴミを取り除きミツロウに加工。趣味でキャンドルやリップクリームなどの化粧品に使用していた。店の主力商品は花の種類によって違う蜂蜜約10種だが、副産物であるミツロウの販売やキャンドル作り教室を通して、有効利用法や手作りの楽しさを伝えている。
教室では、キャンドルの形(たまご型又は六角柱)を選び、色つけや飾り付けを行う。制作で迷わなくて済むように、大沼さんは予め、花や動物などのパーツを用意している。制作の後には蜂蜜の味比べと50㌘の蜂蜜のお土産があり、ミツロウと蜂蜜の両方を楽しむ事ができる。「ミツロウの精製やパーツの準備などに時間がかかっていますが、子どもの経験の場となることが嬉しいです」と大沼さん。冬場に体験が多い傾向があり、昨年は約20組が利用した。体験者からは「ミツロウの手触りや色を楽しむことができた」「ミツバチの生態の話を聞くこともできて、興味深かった」などと声が寄せられている。「停電時の備えとして利用することはもちろん、鑑賞用としても楽しむことができます」と話す大沼さん。ミツロウキャンドルは石油由来特融の臭いがなく、体験で使う11㌢ほどの六角柱のキャンドルは10時間以上燃えるという。
「最近は繰り返し使うことができるミツロウラップ(ミツロウを布に染み込ませたもの)の需要が増えています。養蜂家が減っていますが、蜂蜜やミツロウ、植物の受粉交配などミツバチの恩恵を多くの方に知ってもらい、養蜂園と店を次の代へ繋いでいきたいです」と話す。
▽キャンドル作り教室は予約制。料金1,230円(材料費・税込)/1人
問い合わせ先:はちみつ屋
TEL(0776)82―2098

「ミツロウの色は元々黄色です。太陽光にあてると白くなるので、その後に色を付けています」と大沼さん