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魅力的な米作りを次世代へ

2020年3月4週号

旭農園 大野市蕨生

「米余りの時代を生き抜くために、価値を上げる努力を続けている」と話すのは、旭農園代表の旭政則さんと副代表の政一さん親子。(大野市蕨生・水稲13㌶)JGAP認証取得し、米の審査会で入賞を続けている。
「品質の高い、うまい米を評価されることは、農園の強みになる」と14年前から米の審査会へ出品しており、昨年12月には米・食味鑑定士協会と木更津大会実行委員会が主催する「第21回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」栽培別部門・環境王国枠で金賞を受賞。今年1月には、大阪府米穀小売商連合会の「第9回いっちゃんうまい米コンテスト」で2位入賞した。いずれも「にこまる」での出品だ。「スコアを毎年上げるために例年と同じ事はしない。勘に頼らず、積算温度などのデータに基づく施肥を考えている」と政則さんは話す。
2017年にはJGAP認証を取得。政一さんはJGAPの指導員でもあり、審査員研修にも合格している。昨年は土づくりの専門家である施肥技術マイスターの認定も受けた。「資格取得の勉強でより理解が深まる。JGAPの行程は農園管理を『見える化』できることがメリット」と政一さんは話す。
 同農園は日本百名山に選定されている荒島岳の麓にあり、主食用米、酒造好適米、新規需要米として約10品種を作付けしている。政則さんは自営の自動車整備工、政一さんは森林組合の職員でもある兼業農家だ。無駄を省き、圃場や作業、資材は情報管理サービスのフェースファーム(ソリマチ株式会社)にGPS付きの農機情報を連動させ、記録を取っている。毎年、土壌診断を行い施肥の参考にしているほか、水質検査、米の残留農薬検査を行い安心安全の米作りの裏付けを残している。米は作付け前から米卸販売業者や地元酒造への販売が決まっており、毎年納得のいく価格で取引されているという。
 「農業は地域の基幹産業。需要に合った、儲かる農業なら、次世代へ継承でき、環境も守ることができる。今後は、知識や経験を活かし、大野市を米の産地として有名にしていきたい」と政一さんは意気込む。

 


「審査会での受賞や仲間との情報交換が励みになる」と賞状を手に政則さん㊧と政一さん


第21回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会で金賞を受賞した「にこまる」。整った大粒の米が光る