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農場直送!食の力で地域を盛り上げる

2020年10月1週号

カメハメハ大農場の農家カフェ 代表 藤井 和代さん(あわら市)

「品質の良い農産物が直販を継続する上で重要」と話すのはあわら市温泉でカメハメハ大農場の農家カフェを営む藤井和代さん。夫の勇さんが生産するメロン、スイカ、トマトを販売するほか、地域の農畜産物を使ったカフェなどの6次産業化に取り組み経営の幅を広げている。
 1996年の就農当初から知り合いを通じて、福井市内の4つの団地からまとまった予約注文を受け、農場から直接納品している。メロン、スイカはお中元、トマトは家庭用として毎年需要がある。トマトは樹上完熟させたもの約2㌔入りの箱単位で納品する。メロン、スイカは小分けにして冷凍し、スムージーとしても販売。トマトはびん詰めのジュースなどに加工し、常温で保存できる贈物品を揃えている。
 栽培の段階から地域と積極的につながりを持ち、越前ガニの殻や米ぬかを肥料にしている。市内の田嶋牧場と提携し、規格外のスイカなどを牛のおやつとして提供し、カフェでは同牧場のソフトクリームを使ったスイーツを出している。
藤井さんは2008年から移動販売でトマトカレーやスムージーを提供してきた。地元の農産物のおいしさが集まる拠点として18年に温泉街に店を構え、野菜の収穫期には店頭で青果の販売を行っている。カフェはテイクアウトが中心で、キャッシュレス決済に対応している。「カフェは観光客がメインターゲット。今年はコロナの影響で春先の客足が減った。その中でも、既存のお客さんの紹介から新しいお客さんが店を訪ねてくれるので、継続の力を改めて感じている」と藤井さんは話す。
「今後は、SNSでの発信を強化して、集客につなげることと、通信販売の拡大が課題。新幹線の開通までに地域ぐるみで活性化を考えていきたい」と藤井さん。意欲ある人に移動販売車を貸出することもしており、これまでの経験を活かし、アドバイスしている。今後は、6次産業化の講習など若手の育成にも力を入れていく。

▽カメハメハ大農場の農家カフェ
あわら市温泉1丁目210 TEL:080-6359-5633 営業日:金土日月祝日 営業時間:12時~18時

「地元のお客さんに支えられている」と藤井さん


カフェは無料の足湯「芦湯」の隣。トマトの看板が目印