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カキの樹上脱渋効率化へ

2020年12月2週号

越前柿部会・会長の山口義雄さん あわら市柿原

「食味の良い樹上脱渋柿の効率的な方法を探している」と話すのは、越前柿部会・会長の山口義雄さん(あわら市柿原)。第一包装株式会社の粉末アルコール包材をシールでカキに貼り付ける脱渋方法を試験実施した。
同部会では従来、炭酸ガスによる脱渋に加え、5年前から固形アルコールを入れたポリ袋をカキに袋掛けする樹上脱渋を導入。手間がかかるため普及は伸び悩んでいた。
粉末アルコール包材をカキの果頂部に当て、シールで貼り付ける。シールは収穫1ヵ月前に貼り付けし4日後に外す。隙間から雨水が入ると汚損の原因になるため、雨水が入ってこない工夫が必要だという。
山口会長は「アルコール包材の袋は開封した後、1時間以内に50枚を貼り付けなければならない。事前に果実の選択が必要だが、誰でも簡単に作業ができる」と話す。価格については、1個当たり30円で、袋掛けと比べると約4倍高となっている。
「今後、作業の効率性だけでなく食味や果肉性等を比較していく」と話す。
この試験実施はNOSAI福井の「果樹共済引受総合対策事業」の一環として実施された。

脱渋中のカキ

粉末アルコール包材とシール