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丁寧な手作業 500年の伝統 今庄つるし柿

2021年1月4週号

今庄つるし柿特産振興会 澤﨑信雄さん 南越前町孫谷

 

「つるし柿を作ることで、一年の終わりと始まりを感じられる」と話すのは、南越前町孫谷の今庄つるし柿特産振興会の澤﨑信雄さん。500年の歴史があるといわれる今庄つるし柿を作り、今年は7000個を出荷した。

今庄つるし柿は「長良」という品種を使用している。収穫した柿の皮をむき、炉でカシの薪を燃やし5~6日間、24時間体制で燻す。薪の燃焼時間を考え昼用と夜用大きさを分け、夜中にも燻製状態の確認を行い長年の経験で適度な温度を保ち燻製する。その後、煙のすす汚れを落とす為、湯洗いを行い、天日干し、種割りと呼ばれる人の手で柿を揉み種と実を外す作業を行う。この作業によって、甘く柔らかくなる。その後、2回目の天日干し後、柿の形を整え紐に結んで出荷する。収穫から出荷までには10日ほどを要し、どの工程も1つ1つ手作業で行っている。

「毎年、収穫と燻製作業が大変」と澤﨑さん。子供の頃に家でつるし柿を作っていたのがきっかけで、毎年製造している。「今までいろいろな人との交流を与えてくれた今庄つるし柿を、次の世代に繋げていくことが自分の仕事」と笑顔で話す。

出来上がったつるし柿と澤﨑さん