広報

ブランド確立へ独自の商品展開

2021年3月2週号

ICHIGOOJI 池田天瑠さん

「目指すは福井で一番のイチゴ農家」と話すのはICHIGOOJI代表の池田天瑠さん。(坂井市春江町石塚)新規就農し2020年12月からICHIGOOJIの名前でイチゴの出荷を始めた。朝採れや大粒「イチゴザウルス」などの商品展開でブランドの知名度を上げ、3月中旬からは摘み取り体験を開く。
兵庫県出身の池田さんは大学生の時、同町で稲作を営む叔父の姿に憧れ、就農を相談していた。同時期にJAはるえ(現JA福井県)が産地パワーアップ自然光利用型連棟ハウス整備事業でイチゴを栽培する若手農業者を募集しており、17年に応募した。
卒業後1年半、京都府のイチゴ農家のもとで研修を受けた後、独立して就農し両親とともに栽培を行っている。ハウスは環境制御システムを導入しており、高設土耕で「章姫」と「紅ほっぺ」を栽培。「システムの操作に慣れるのには少し時間がかかった。研修先で教わった栽培のポイントを再現できたこともあり、順調に生育している」と話す。冬季の夜には遮光と保温カーテンを2重にかけ、電照を当て生育を促している。ハチはクロマルハナバチを使っているが、より形良い実を作ろうとセイヨウミツバチを試験的に導入している。11月から6月まで計12㌧の生産を目標としており、JAの直売所、デパート、製菓店などに出荷している。
「多くの人に自家のイチゴを知ってもらおうと話題性のある名前や商品を考えた」と池田さん。ハウス近くの坂井市ゆりの里公園農産物直売所「ゆりいち」限定で朝採れのイチゴを出荷しており、看板商品となっている。2月には、紅ほっぺを60㌘以上の大粒に育て「イチゴザウルス」という名前で販売し好評を得た。
 3月中旬から予約制で摘み取り体験を開く。ゆりの里公園のイルミネーションに合わせて週末に夜間営業も実施する予定だ。「人が集まる拠点にするとともに、経営規模を拡大して、出荷量を増やしていきたい」と池田さんは意気込む。

ICHIGOOJI
坂井市春江町石塚20-2
TEL080-5337-0811
ハウス35・6㌃