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休耕地活用、地域活性化へ一役 管理が容易、獣害の心配なし 商品開発に若者参画

2021年9月3週号

福井市 三里浜オリーブ組合

 福井市白方町に拠点を置く三里浜オリーブ生産組合(組合長=村嶋哲郎さん)では、休耕地5㌶を利用し、1800本のオリーブを植樹した。今年から本格的にオリーブの加工品販売に力を入れ、地元の学生のアイデアを盛り込んだ商品づくりなど、園芸振興と地域活性化に尽力している。

 同組合のある福井市西部地区は三里浜砂丘地と呼ばれ、県内でも園芸振興団地として有名な地域だが、高齢化などで農地を手放す農家が増え、休耕地が目立つようになっていた。

 この休耕地を活用しようと、2017年にオリーブを植樹。翌年7月に、地域の有志30人が集まり、同組合を発足させた。

 オリーブは、水稲や畑作物と比べ水管理がしやすい。実には独特のえぐみがあり、サルやイノシシ、カラスなどの食害も受けないという。

 今年6月に農薬不使用のオリーブの若葉から作られたオリーブ茶が販売され、11月からはオリーブオイルなどの加工品を販売予定だ。

 先駆けて販売されたオリーブ茶は、カフェインを含まず、妊婦や幼児、就寝前でも安心して飲める。ポリフェノールの一種オレウロペインが豊富に含まれており、生活習慣病の予防にも効果的だという。 

 

農業体験を受け入れ

 商品開発に当たっては、若い学生のアイデアを盛り込みたいと、同市園芸センターが実施する「さんりはまベジフルブラッシュアップ事業」を活用する。

 一方、同市と連携し、地元の高校生や大学生の農業体験の受け入れた。今年は大学生4人が、オリーブの剪定方法や加工品の作り方などを学んだ。

 村嶋さんは「これからも地元の学生の若い力や地域と連携し、新しい商品開発に取り組み、三里浜のさらなる地域活性化に繋げていきたい。」と意気込みを話してくれた。

 

 

オリーブ園で村嶋代表(後列右から2人目)と組合員

オリーブ茶を手にする開発担当の坂本新太郎さん(右)と村嶋さん。オリーブのイラストは地元の学生のアイデアで作成された