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そばの普及へ 丸抜きを直販

2021年12月1週号

坂井市 中瀬輝雄さん

「ソバは早刈りすることで風味を生かせる。さらに、真空パックすることで風味を保てる」と話すのは、坂井市丸岡町でソバ12.4㌶を作付けする中瀬輝雄さん(71)。黒化率67㌫以下の目安で収穫したソバの実を、玄そばと丸抜きで直販している。

 中瀬さんは生産・販売の傍ら、地元のそば打ち愛好会に所属。早刈りそばを使用すると、生粉打ちが水でも容易に打てるという。

 一方、丸抜きはソバ殻を抜いているため、生地が薄く緑がかったきれいな色になる。ソバ殻を除く手間が省けるため、そば屋からの注文の3割が丸抜きだ。販売は県内のほか、愛好会の仲間を通じて京都・兵庫・岡山へも出荷する。

 2012年に始めた丸抜きは、玄そばから大粒・中粒と区分し、粒度選別機に2回はかけなければならず時間がかかるという。選別後は、脱皮機で殻を抜き、角がとれた三角すいの丸抜きになる。中にはどうしても玄そばが残るため、色彩選別機にかけて仕分けを徹底。酸化による変色や水分による蒸れを防ぐため、真空パックにしている。

 中瀬さんは「丸抜きは手間がかかるが、待っている方がいるのでやめられない。そばの普及も含めて今後も作りつづけたい」と意気込む。

 

「ご飯や雑炊に入れると、食感を楽しむことができる」と中瀬さん