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玄米粉を使った菓子を製造販売 食の大切さ伝えたい

2022年2月2週号

小麦アレルギーでも大丈夫 仲間が栽培 農薬・化学肥料は不使用

コメコロ 代表 溝口香織さん

「子育てを通じて、食に対する考え方が変わった」と話すのは、池田町で玄米粉を使用した菓子の製造販売をする「コメコロ」の代表を務める溝口香織さん(43)。小麦アレルギーがある息子に、みんなと同じようにクッキーやケーキなどを食べさせたいという思いで、8年前から玄米粉を使用したグルテンフリーの菓子作りをしている。今では、同町の農産物を生かした商品開発にも取り組んでいる。

溝口さんは、結婚を機に池田町に移住。その後、長男に小麦アレルギーが発症した。今まで気にかけなかった食品表示にも、アレルギー成分が含まれていないか常に目がいくようになり、子どもには体に良い物を食べさせたいと強く思うようになったという。

使用する玄米粉は、移住者同士の仲でつながった農業者が、農薬・化学肥料不使用で栽培した「コシヒカリ」を使用。ほかの材料も、できるだけ同町で生産された農薬不使用の農産物を使い、保存料などは使用していない。

元々喫茶店で菓子づくりに携わっていた溝口さん。2018年4月、同町に農産物を生かした食品開発・製造を支援する施設「食LABO」が建設されたことをきっかけに、施設の加工機器を利用しながら商品の開発をスタートした。

 

カロリー計算や食品表示などを学ぶ

 

同施設では、焼き方や温度調整といった技術面だけでなく、カロリー計算や食品表示・包装なども学ぶことができる。

商品開発の指導にあたった管理栄養士の笠嶋美和さんは「今後、さらに販路を増やし、池田町の発展につなげてほしい。これから加工を始める人への後押し役にも期待している」と話す。

20年12月には念願の工房を建設。移住者の女性2人をアルバイトとして雇っている。

溝口さんは、「名前にあるコメコロのコロには、チベット語で輪(つながり)の意味があり、人や物、地域とのつながりを大切にしたいという思いが込められている。この商品を通じて、池田の良さと食の大切さを広めたい」と笑顔で話す。

 

女性が働きやすい環境づくりにも心掛けている」と話す溝口さん

池田町名物の「ばんこもち」をモチーフにした「ばんこクッキー」(手前左)も販売中