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もみ殻をエコ燃料に 野菜農家へ無償提供

2022年3月2週号

越前市 海田 和廣(かいだ かずひろ)さん

「水稲農家を悩ませるもみ殻を『モミガライト』という燃料資材に転換させ、農業に活用している」と話すのは、有限会社福井ヘリ&アグリサービスの代表を務める海田和廣さん(58)。越前市山室町を中心に54㌶で、水稲、麦、ソバを生産している。

 水稲を生産する上で避けては通れないもみ殻の処理について、海田さんもほかの農業者と同様、悩まされていた。収穫後の田んぼに野積みされ、川に流れればヘドロの原因にもなった。

 そんな時、もみ殻を新たなエコ燃料・モミガライトとして加工する機械があると知り、広島県の製造元まで実際に足を運び、すぐに購入したという。

 モミガライトは、専用の機械ですりつぶし、高温加熱処理後、棒状に押し固めた、もみ殻100%の固形燃料。薪と比べ、熱量が高く燃焼時間も長いのが特徴で、湿気に強く、室内であれば10年もの長期保存が可能だ。燃焼後の灰も土壌改良材として圃場に還元できる。

 製造したモミガライトをハウス内の暖房用燃料として、地域の軟弱野菜農家へ無償提供している海田さん。「今後は、災害非常時や薪ストーブ用の燃料などさまざまな需要に対応できるよう、製品販売の準備を進めている」と笑顔で話してくれた。

 

モミガライトを手に「農業に対するイメージをクリーンなものにしたい」と海田さん