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増加傾向 刈払機の事故 危険を知り 安全な作業を

2022年8月1週号

基本の確認/傾斜地作業/刈り刃交換/メンテナンス

ふくい農林水産支援センターとNOSAI福井が研修

農作業事故ゼロを目指す刈払機の安全な操作方法を学ぶ「事故を起こさない刈払機の使い方」研修が、福井市の福井県農業試験場で7月7日に開催された。公益社団法人ふくい農林水産支援センターとNOSAI福井(福井県農業共済組合)が共催し、刈払機の操作に不慣れな農業者や関係者ら17名が受講した。

全国の農作業での事故件数は高止まりの状況で、大型機械が半数を占める中、近年は刈払機による事故も増加傾向にある。

研修前半の座学は、農作業安全指導員の資格を持つふくい農林水産支援センターの豊田吉之課長が、刈払機の取り扱い方法や作業姿勢の基本などを説明。農作業事故の現状と危険性を、実際の事故写真や動画などを用いて解説した。

豊田課長は「手軽に使える刈払機も、使い方次第で凶器になりうることを認識してほしい」と受講生らに注意を促した。

 

すり足でゆっくり作業

研修後半の実技は同資格を持つ杉本雅和技官が担当し、各自が持参した刈払機で実習。体の動かし方は、右足を前に、すり足でゆっくり作業を進めることを確認。作業の注意点や機械の簡単なメンテナンスを受講した。

傾斜地での実技では、斜面の谷側に左足を置き、機械の自重で刈り下げ、体力温存するよう指導。つる草などが繁茂する場所は、刈り刃を2枚刃や3枚刃に変えることで絡まりなどが緩和され、作業効率が上がることなどを紹介した。

70代の受講生は「普段何気なく使用している刈払機だが、事故の怖さを改めて実感した」と話し、20代の受講生は「学んだことをしっかりと身につけて、より安全な作業に努めたい」と気を引き締めていた。

豊田課長は「コンバインの操作など、事故防止対策の研修を今後も予定している。多くの人に参加してもらい、農作業事故の未然防止につなげていきたい」と話した。

 

写真①:機械の取り扱いについて指導を受ける受講生

写真②:エンジンを止めて刈幅や刈刃の使い方など丁寧に指導を受ける受講生

写真③:フィルター交換など簡単なメンテナンスを説明する豊田課長(右)