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白ネギ出荷に障がい者就労 福農連携の環境整備

2022年9月1週号

坂井市 三つ星㈱

 「就労先が不足する障がい者の雇用の受け皿となり、持続可能な農業を目指したい」と話すのは、坂井市坂井町の三つ星株式会社・代表取締役の冨田()真人(とみた まこと)さん(45)。白ネギ8㌶、トマト50㌃を経営する同社は、障がいのある人が活躍できる環境を整備し、施設外就労の2人を7月から受け入れている。

 「トマトの収穫作業の手伝いを以前にお願いしたとき、大変助けられた」と冨田さん。7月から翌年の5月までの白ネギの出荷作業に、障がいのある人を受け入れられないかと考えた。

 出荷作業には、根・葉切りや選別、袋・箱詰めなどがあり、障がいの度合いに合せて分業ができるようにした。中でも選別は、重量を計り規格表に照らし合わせて選別しなければならないため、昨年10月に自動選別機を導入し、作業の軽減を図った。

 作業は誰でもできるようにマニュアル化するほか、就労支援事業所のスタッフとの打合せを欠かさないなど、障がいのある人が継続して無理なく作業できるような環境整備に努めている。

 当初は福農連携が思うように事が進まなかったため、冨田さんは先進地へを自ら視察した。「受け入れがうまくいけば、農業分野の雇用が生まれ、これまで以上に栽培管理などに集中でき、品質向上につながる。今後の規模拡大も考えられるようになった」と手応えを感じている。

 

「一人一人が働く喜びを実感できる場を提供したい」と冨田さん