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私の農業経営 緑肥作物が新たな付加価値に

2023年4月1週号

福井市 吉田優一郎さん(農事組合法人こうすい)

 2018年から「クリムソンクローバー」を緑肥として使用して、2.5㌶の圃場で農薬を使わない自然農法の「あきさかり」を栽培しています。
 08年に生産組織から法人化し、約10年が経過したときに、効率化を追求した農業だけをすることが良いのかと考えるようになりました。県の農業試験場へ相談したところ、緑肥作物を使った自然に優しい農法を勧めてもらいました。
 緑肥作物として勧められた3種類の品種の中で、クリムソンクローバーが比較的栽培しやすかったため、70㌃の圃場から利用を始めました。
 特別栽培をするようになって、組合員やお客さんから「食味がいい」という声をもらえるようになりました。栽培する米の食味値を測定したところ、一般的な数値より5~6ポイント高くなり、自然農法へ転換して良かったと自信にもつながっています。
 最初は緑肥としての利用だけを考えていましたが、春には花がきれいに咲き、たくさんに訪れてもらえるようになり、景観作物がある地域の観光スポットになってきました。特別栽培であることによる価格的な付加価値だけでなく、販売以外のメリットもでき、季節を楽しみながら栽培しています。
 新型コロナの影響や米価下落など、さまざまな分野で不安定な情勢の中で、収入保険は農業経営に必要不可欠だと考え、19年から収入保険に加入しました。
 消費者から要望があれば面積を増やすことを検討しますが、栽培と季節を楽しめる範囲でやっていくことを優先に、これからも営農を続けていきたいです。

「みんなと楽しみながら栽培を続けていきたい」と話す吉田さん(右)と構成員の皆さん

春先のすき込み前のクリムソンクローバー(写真提供=農事組合法人こうすい)