自家製堆肥活用の循環型農業 飼料・肥料コスト削減
2023年7月3週号
坂井市・(株)レイトベースフクイ
「農業はやればやるだけ良い結果が返ってくる。わが社らしい取り組みで地域を守っていきたい」と話す髙橋久明さん(38)。坂井市三国町で水稲40㌶、ソバ45㌶、麦20㌶、野菜10㌶などを栽培する株式会社レイトベースフクイの代表取締役を務める。父親が亡くなった2018年に水稲と酪農を受け継ぎ就農。自家製堆肥を活用した循環型農業を実践している。
団体職員として働いていた髙橋さんは、兼業農家が多い地元の生産組合を引き継ぐ形で、20年に同社を設立。3人の若い従業員とともに営農に取り組む。
同社が耕作する三国町池上地区は、砂地が多いため、水はけの良いところは野菜、水持ちが良いところは水稲と、圃場を見極めながら適した作物を栽培する。
髙橋さんが経営する牧場で飼育する乳牛の餌となるWCS(ホールクロップサイレージ)用水稲も栽培し、乳牛の排泄物を堆肥化して農地に還元。飼料と肥料コストの削減を実現した。
今後は規模を拡大し、水稲と野菜の循環型農業で収益力の向上を目指す髙橋さん。「資材の高騰や気象災害、米価下落など厳しい農業だが、農業こそ自分次第で結果がついてくる。地域の受け皿になった以上、この地域のことを第一に考え、地域の特徴を生かした企業的経営に努めたい」と先を見据える。
「なんでも相談でき、信頼できる従業員がいてくれることが大きな支え」と髙橋さん(左端)