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自社農産物を使ってテイクアウト専門店 対面販売に確かな手応え

2023年8月1週号

越前市 「農家たこ焼き・たい焼き Qeen」
永木 良和さん

「自分の作る農産物のおいしさを消費者に直接届けたかった」と話すのは、越前市西樫尾で永木農園を営む永木良和さん(60)。水稲24・3㌶、大麦15・6㌶、ソバ10㌶、キャベツ5㌶、ネギ1㌶などを作付ける。その傍ら、テイクアウト専門店「農家たこ焼き・たい焼き Queen」を営業。店舗はJR武生駅近くのビルの一角にあり、自身が作るミルキークインのおにぎりや弁当、自社産のキャベツやネギを使ったたこ焼きなどを販売する。
 もともとは米農家だった永木さん。主要作物だけでは経営していけないと考え、キャベツやネギなどの野菜を加え、より付加価値を上げるため、農薬や化学肥料の利用を抑えた特別栽培で生産していた。
 その後、息子が就農して人手が増えてきたこともあり、自身の農産物を消費者に直接届けるため、自社産の食材を使った商品の販売を決意した。
 動画共有サイト(ユーチューブ)などを利用しながら、独学でノウハウや材料選びなどを学んだ。地元の公共施設近くにあった空き店舗を改装し、2019年に開店。店名は農家が作るたこ焼きとミルキークインの一部を合わせて名づけ、20年に現在の場所に移転した。
 営業は朝10時半から午後5時まで(月曜定休)。使用する食材は、永木さんが作る米や野菜のほか、同市の農業者に声をかけ、豚肉や卵も地場産を利用し、「オール越前市」でつくるメニューが多い。
 開店当初のメニューは数種類だったが、客の要望に応えてきた結果、今では自社産ソバで永木さんが自ら打つ越前おろしそばのお弁当からソフトクリームまで多岐にわたる。
 「このお店が農園のアンテナショップのような役割を果たしている」と永木さん。店頭ではテイクアウトメニューで使う野菜や米を販売する。「いろいろな要望に応えながら、永木農園だけでなく、地域の農産物のおいしさを多くの人に届けていきたい」と笑顔で話してくれた。

「毎日忙しいが、『おいしい』と喜ぶお客さんの笑顔を見られるこの場所が好き」と笑顔の永木さん

開店当初から販売するたこ焼きは、トロっとした皮と自社産キャベツ、ネギ、越前市産の卵を使った少し辛みのある逸品(1皿500円=税込)