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複合経営で通年作業実現 大区画化・作物団地化へ

2025年4月3週号

福井市・藤田佳光さん

 

「農業が生業(なりわい)として継続して成り立つよう、農業経営ができる人材の確保や育成が大切」と話すのは、福井市南山町の藤田佳光(ふじた よしみつ)さん(44)。水稲をメインに、大麦や大豆のほか、大麦の後作にキャベツなどの露地野菜を組み合わせた複合経営をしている。

 元々は長距離トラックのドライバーで、父親の農作業を手伝っていた。2020年に父親が亡くなったことを機に就農。「就農当初は水稲だけだったが、危険分散を図るため、大麦や露地野菜も手がけることにした」と話す。最近は近所の高校生や大学生がアルバイトに来てくれるようになったため、ハウスでスイートコーンや軟弱野菜なども作付け。一年を通して作業ができるよう計画している。

心強い収入保険

 21年から収入保険に加入している藤田さん。「近年の高温障害による不作や価格の大幅な下落による収入減だけでなく、大規模災害などの罹災(りさい)による減収も収入保険で補償されるため、農業経営の保険として非常に心強く感じている」と話す。一方、農業の高齢化や高コスト化は大きな課題と考えている。「働き手として、農作業の担い手を確保することはもちろん大事だが、農業経営ができる人材の育成も同じくらいに重要だと感じている」と話す。 

 「南山の集落の方々に加え、近隣集落の農家さんや生産組織の理解もあり、経営面積は年々順調に増えている。今後は、圃場の大型化や作物の団地化を進め、より効率の良い営農やより安定した農業経営を目指し、地域農業の継続と発展に寄与していきたい」と話している。

 

 

集落の方々や若手の農業仲間、行政、JAなどとも連携し、よりよい環境づくりに取り組んでいきたい」と藤田さん