私の農業経営 ”高温対策や冬の施設野菜挑戦へ”
2025年8月2週号
永平寺町・農事組合法人吉野ホタルの里ファーム 代表理事組合長 川崎 利弘さん
私たちは永平寺町吉野地区の5集落で立ち上げた法人です。水稲を中心に小麦、そば、野菜を栽培しています。
特に7月中旬から下旬にかけて出荷するとうもろこしは糖度18度以上でメロンよりも甘く、固定客も多いです。今年も順調な生育で甘みも申し分ありません。近頃は、高齢化による人手不足と気温の上昇で体力的にも作業が辛く感じる時がありますが、食べた人の「おいしい」の声に力をもらっています。
平時は5人で作業をしているため、水稲は移植と直播で作業時期を分散し、負担が偏らないようにしています。2023年と24年は米価の上昇で経営が少し楽になりましたが、コロナ禍で米価が下がった時には、価格の下落も補償対象の収入保険制度に助けられました。
農業経営を維持し、次の世代へ繋いでいくには、環境に合わせた変化や、新しい事への挑戦、そして若い世代を含めた人材の確保が重要です。
近年の暑さで米の収穫量が減っているため、今後は「コシヒカリ」から高温耐性品種へ、ハウスの被覆材は散乱光タイプに変え、気温の上昇に対応したいと考えています。
また、圃場が雪で埋まる冬場は、ハウスを活用した野菜栽培に取り組んでいきたいです。人材の確保には年間を通じて働ける場が必要ですから。
今後、米価がどうなるのか不透明な状況ではありますが、酒米など新たな事にも挑戦したいですね。
写真:今年のとうもろこしの出来に満足する川崎さん(左)と園芸担当の小林聡宏(あきひろ)さん(右)