広報

町初、シカ肉加工処理施設 被害拡大防止の貢献に

2025年8月3週号

おおい町 マルヤ国際商事

 

 「適切に捕獲処理されたシカはおいしい。シカ肉は高たんぱく・低脂肪で栄養価も高く、美容や健康に優れた食材です」と話すのは、おおい町本郷のマルヤ国際商事 専務 枡谷 敏岐(ますたに としき)さん(43)。町内初のシカ肉の加工処理施設を整備し、ギョーザなどを製造して販売している。
 嶺南地域では年間約四千頭のシカが捕獲され、そのほとんどが有効活用されず焼却処分されている。同社では、少しでも活用したいと2024年7月に町内の空き家を改修し、加工処理施設「Deer Dream」を整備した。 

 

▶ペット用ジャーキー ギョーザなど製造

 

 シカ肉は「臭い」「硬い」といったイメージがあるが、同社は捕獲時期や場所、過程が把握できる個体を素早く加工することで、独特の臭みを大幅に減らす事に成功した。
 25年1月には、ギョーザ製造会社と連携し「わかさ食美恵(じびえ)ぎょうざ」を開発。肉はシカだけを使用し、町特産のシイタケを合わせる事で豊かな風味を引き出す。他にも七味唐辛子を効かせたモモ、ロース肉のジャーキーを製造。酒に合うと好評だ。さらにペット用ジャーキーも開発した。
 施設では処理の様子も見学が出来る。地元の児童らを招くほか、学校給食へのギョーザ提供を通して、命の大切さを伝える活動にも力を入れていきたいという。
 枡谷専務は「野生動物による被害は全国的に深刻化しています。少しでも被害の拡大防止に貢献できるよう、今後も全力で取り組んでいき、多くの人にジビエ(野生鳥獣肉)料理を楽しんでもらいたい」と話す。
お問い合わせ先=0770―77―3166


写真①:シカ肉のギョーザやジャーキーはおおい町になる道の駅「うみんぴあ大飯」で販売。「町のふるさと納税の返礼品への登録も今後目指します」と枡谷専務は話す。

 


写真②:ジャーキー用の肉は乾燥させた後、冷凍保存し品質を保っている。