自動操舵トラクターやドローンなど スマート農業で省力化
2025年10月3週号
坂井市 有限会社 アグリ・エス・ケー
「収穫作業が一番楽しい。すべての苦労が報われます」と話すのは、坂井市春江町安沢にある有限会社アグリ・エス・ケーの牧野 泰久代表取締役(45)。水稲を主軸に、大麦や大豆、ソバのほか、ハウスでトマトなどを栽培し、経営面積は150㌶にのぼる。
2024年の3月に妻典代(46)さんの父から事業を受け継ぎ、夫婦で共同代表を務める。作業にあたるのは牧野さん夫妻を含め11人。経営にはスマート農業を積極的に取り入れ、生産性の向上に注力している。
「自動操舵機能が付いたトラクターは無駄なく動くので、燃料などのコスト削減にも繋がっています」と話す泰久代表。同社では、食味と収量を測定できるコンバインや小型無人機(ドローン)といったスマート農機も導入している。
また、ハウスでのミディトマト栽培にも環境制御システムを取り入れ。液肥の供給や湿度と温度に応じた暖房や遮光・保温カーテンの制御、二酸化炭素濃度(CO2)の管理などを自動化している。
トマト栽培を主に担う典代代表は「防除作業も無人ロボットがするので、農薬が体にかかる事もありません。体にも優しい」と話す。繁忙期を除き、平時は女性3名で対応できているという。
「近隣集落の営農組織から将来的な委託の話が来ています。これから十年先、高齢化で農業者が減っていくでしょう」と話す泰久代表。農地の受託が今後増える事を見越して、区画整理による農地の拡大と、オペレーターの育成にも力を入れていくとのこと。
泰久代表は「地域農業の継続と発展のためにもスマート農業の活用を広げ、一層の省力化と省人化を進めていきたい」と意欲を見せる。
写真:たわわに実った水田で牧野さん夫妻
