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私の農業経営 ”収入保険で経営を守る”

2025年10月4週号

効率化とリスク管理で経営安定 持続可能な農業目指す

 越前市 山室 (有)福井ヘリ&アグリサービス 代表 海田 和廣 さん
 

 多くの農家が離農していく中、農地を守りたいという思いを抱き、中古トラクター1台から農業を始めました。現在では、家族と従業員の4人で営農をしています。圃場を集積し、自動水管理システムや自動操舵トラクターなどのスマート農業を積極的に導入して効率化を図ることで、少人数での農業経営を実現しました。
 農作物は作った後に、価格が決まるので、経営計画を立てることがとても難しいと日々感じており、大規模な圃場で営農していくに当たって、リスク管理は避けて通れないものだと考えています。
 農業には、多様なリスクが潜んでいます。台風や高温障害などの自然災害はもとより、米の盗難や代金の未払いといった販売リスクもあります。
 従来の農業共済制度では、農作物の収穫量の補償に強みがありますが、私が加入している収入保険は、生産から販売までの幅広いリスクに対応しているため、農業経営上の大きな安心と安定に繋がっています。ほかにも、農機具共済や賠償責任保険など複数の保険に加入することで、リスクの分散を図っています。従業員に安心して働いてもらうこと、従業員やその家族を守ることは経営者としての責任だと考えています。
 今後は、効率化とリスク管理を両輪として、持続可能な農業経営を築いていきたいと考えており、地域で人を育て、育った人が安心して働ける「人と地域のためになる農業」を目指していきたいです。

 

写真:持続可能な農業経営のため、もみ殻を専用の機械で棒状に固めた燃料資材のモミガライトの開発にも力を注ぐ海田さん